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日本タンクターミナル協会
発足50周年祝賀会を都内で開催
100年に向け社会的認知度向上を

 日本タンクターミナル協会(JTTA、宮川靖嘉会長)は22日、協会発足50周年記念祝賀会を八芳園(東京都港区)で開催した。

  JTTAの歴史は、1970年に関西地区の液体貨物を取り扱う企業数社が発起人となり、会員を募ったことが発端。71年に会員11社により、同業企業間の情報交換、親睦ならびに法に関する対応と安全管理に関する研鑽を目的に「関西液体貨物業会」の名称で発会。72年には関東地区でも会発足を働きかけ、発会へと至った。

 73年に東西合同での活動を目的に「日本液体貨物業会」を発足し、初代会長に近畿輸送倉庫(現アスト)の専務取締役だった若林節生氏が就任。関西支部・関東支部の各活動のほか、幹事会年2回と総会を開催し、情報交換と共通テーマへの統一した方向性を築くなど、基盤構築を図った。

 93年には「日本タンクターミナル協会」と改名。2005年に関西支部・関東支部をまとめる上部組織として本部を設置し、2代目会長として内外輸送社長の小幡柾夫氏が就任。17年間にわたってJTTAの活動を発展に導いた。22年10月には、セントラル・タンクターミナル(CTT)社長の宮川氏が3代目の会長に就いた。

 宮川会長は発足から50年を振り返り、大震災(阪神淡路大震災、東日本大震災)の経験や近年の豪雨水害など自然災害の頻発に触れ、「危険物を扱う業界にとっては最も頭の痛い問題ではないかと思う。いざという時に被害を最小限に抑えられるように、日々の活動において可能な限りの備えを行ってほしい」とBCP対策を呼びかけた。

 今後の課題として業界の「社会的認知度の向上」を挙げ、「タンクターミナルが社会インフラを支え、液体貨物のサプライチェーンの一端を担い、重要な役割を果たしていることを協会として積極的に情報発信していく」と表明。「今後、100周年を目指す中で、今までの50年が今後の50年に寄与していくことを信じている」と述べた。

 日本危険物物流団体連絡協議会(危物協)および日本危険物コンテナ協会の大森寿明氏(NRS)は、JTTAの歩みをたどり、危険物物流3団体で構成される危物協の発足の経緯を説明。日本および世界情勢に触れ、「宮川会長の指導力のもと、100周年を迎えられるように頑張ってほしい」とエールを送った。

 日本危険物倉庫協会の瀬戸口任三郎会長(築港)は、「危物協の3団体が連携し、今後も危険物、液体貨物の物流において安全・安心をしっかり守り、3団体が手を携えて取り組んでいきたい」と挨拶。乾杯の発声を行ったNRSの田中弘人社長は自身のJTTAでの活動を振り返り、「会員の皆さんが安全、事故防止に向けて真摯に取り組まれ、大変勉強になった」と述べた。

 祝賀会では和太鼓のパフォーマンスが披露され、危物協の大森会長、前JTTA会長の内外輸送の小幡社長、NRSの田中社長が和太鼓に挑戦。中締めの挨拶を関西支部長の太田英之氏(辰巳商会)が行い、「JTTAが今後100年続き、社会的に認知される団体になっていくには、安全・安心を担保できる団体であることが不可欠だ」と強調した。

 なお、祝賀会に先立ち定時総会と講演会が行われクリーン燃料アンモニア協会会長の村木茂氏(元東京ガス副社長)がカーボンニュートラルに向けた日本の戦略とアンモニアの役割をテーマに話した。宮川会長は、「これからの50年を鑑みると、アンモニアをはじめとした次世代燃料について、協会、会員各社はそのサプライチェーンに何らかの関わりが出てくる」と講演の企画の趣旨を説明した。

 

(2024/10/29 カーゴニュース 掲載)

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