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危物協 新春賀詞交歓会
地震や事故に真剣に目を向け安全を追求
被災地へ水供給用の1tコンテナ提供

日本危険物物流団体連絡協議会(危物協、大森寿明会長)は22日、東京都千代田区の東京會舘で新春賀詞交歓会を開催した。日本危険物コンテナ協会(危コン協、大森会長)、日本危険物倉庫協会(危倉協、瀬戸口仁三郎会長)、日本タンクターミナル協会(JTTA、宮川靖嘉会長)の3団体で構成する危物協としては4年ぶりの開催となり、183人が参加した。

開催にあたり、大森会長(NRS)は、元旦に発生した能登半島地震と翌2日に起きた羽田空港での日本航空機と海上保安庁機の衝突事故に言及。危物協として被災地に水を供給する1tコンテナを提供したことを報告し、支援への協力を呼び掛けた。また、「従来は考えられなかった地震や事故が起き、危険物の物流に携わる者としてこれらのことに真剣に目を向け、一層、安全を追求していかなければならない」と強調した。

さらに、「危険物輸送に携わる我々は国民生活の安全と幸せに寄与するために努力する必要がある。今まで安全だと思っていたことが、必ずしもそうではないことがある」と指摘。渋沢栄一の「四十、五十は洟垂れ(はなたれ)小僧 六十、七十は働き盛り 九十になって迎えが来たら 百まで待てと追い返せ」という言葉を引用し、「ここに居る皆さんは、『はなたれ小僧』か『働き盛り』であり、一緒になって今年を乗り切っていこう」と力強く語った。

来賓として挨拶した水嶋智 国土交通審議官は、「安全に携わる職業の重みをあらためて感じている。皆さまも安全を意識しながら日々の仕事に取り組んでおられるが、社会からリスペクトされ、新しい世代が『働きたい』と誇りを持ってもらえるような業界にしていくことが、この国をしっかり支えていくうえで重要だ。2024年は物流の年といわれるが、これをきっかけとして業界が発展することを祈念したい」と述べた。

続いて、国交省物流・自動車局の仲澤純 貨物流通経営戦略室長が、能登半島地震の被災地への物資輸送に関し、「この季節は暖房器具や燃料も必要になり、皆さまの知見が生かされる」と指摘。厚生労働省の医薬局医薬品審査管理課化学物質安全対策室の稲角嘉彦室長は、「2024年問題」に関し、毒物および劇物の運搬について例外的取扱いを新たに定めることとした内容の省令改正について報告した。

乾杯の発声をJTTAの宮川会長(セントラル・タンクターミナル)が行い、「大変な年明けを迎えたが、『2024年問題』や物価高、加えて、今年に限ったことではないがカーボンニュートラル(CN)への対応、DXなど様々な問題が我々の業界を取り巻いている。そう簡単に解決できるものばかりではないが、この協議会で情報発信するとともに、諸問題についてともに解決を図っていけるような年にしたい」と挨拶し、歓談に移った。

中締めの挨拶した危倉協の瀬戸口会長(築港)は、「危険物物流に携わる我々は、安全・安心をしっかり守り、物流を支えていくことが使命だ」と強調。自身も被災した阪神淡路大震災でボランティア団体を立ち上げ、支援活動を継続していることを明かし、「こうした活動は終わりがない。能登半島地震の被災者も長い年月をかけ復興とその先に向かっていかれる」と述べ、復旧・復興支援への協力に賛同を表明した。

 

(2024/1/30 カーゴニュース 掲載)

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