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日本タンクターミナル協会 小幡 柾夫 会長
SOLASに加えサイバー対策も課題
「安全・安心」の確保は“現場”から

 「全体としてタンクは高稼働が続いており、新型コロナウイルス感染症やサプライチェーンの混乱の影響は小さい」と話すのは、日本タンクターミナル協会(JTTA)の小幡柾夫会長(内外輸送)。経済安全保障の一環として、物流など重要インフラ事業者に対するサイバー防衛への要請が強まっていることも踏まえ、「タンクターミナル業界として、従来からのSOLAS条約(海上人命安全条約)に基づく対策に加え、今後はサイバーセキュリティも重要な課題となる」と話す。

 タンクターミナル業界はプレイヤーの数が限られ、タンクに関する情報共有など同業者間のコミュニケーションは重要。ただ、例会(勉強会)は昨年からオンライン方式を取り入れたことで参加人数が大きく増加。今年4月の例会は日本危険物コンテナ協会、日本危険物倉庫協会にも参加を呼びかけ、昨年の約2.5倍の150人が参加。「オンラインだから実現できた」(小幡会長)とし、今年は春と秋の2回、開催する。

 新技術の活用として、ドローンによるタンクの点検の可能性も注目されているが、「ドローンは防爆タイプでないため、危険物施設のエリアに近づけず、日常点検での利用は難しい」と課題を指摘したうえで「人による日常的な点検と予防保全があくまでも基本」と強調。事業の根幹である「安全・安心」を確保するには、「現場で作業に従事する人の意識の向上が何よりも大切」と語る。

(2022/5/31 カーゴニュース 掲載)

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